秘密の洞窟にダーキニーたちが現れる

 ツァリに来て数ヶ月たったある日、女人がやってきて言った。

「我が家の女主人がそなたさまを呼んで儀礼を行なうことを願っています」。

 私は高僧に相談し、許可を得て、ひとりの僧侶とともに、女人のあとを歩いていった。我々が岩の前に着くと、女人は僧侶に向かい、「あなたはここまでです」と言って、追い返してしまった。

 岩壁の扉が開き、洞窟のなかに入ると、扉は自動的に閉まった。女人のあとをずっと歩いていくと、さまざまな宝石が輝く大きな広間に出た。そこにはダーキニーがたくさんいたが、中央の人間の女性のような顔をしたのがヴァジュラ・ヨーギーニだった。しばらくして供法輪の儀礼がおこなわれた。ダーキニーたちは金剛の歌をうたい、金剛の舞を踊った。このめずらしい光景を目の当たりにして、心を奪われた。たった一日のあいだに起こったことであったが、里に戻ると、七昼夜をへていたことがわかった。 



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