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 古代の呪術師が地中の妖怪に対処する簡易な方法は地面を三尺(90センチ)掘ることだった。これは「掘って送り出す法:と呼ばれた。秦簡(秦代の木簡)『日書』「詰篇」にいう、「家の中に人がいっぱいいて伝染病がはびこると、軽くて病気になり、重ければ死亡する。これは部屋の地下に「棘鬼」がいて怪をなすのである。棘鬼の頭頂は地面にあり、日照りのときは湿り、水害で水浸しのときは乾燥している。棘鬼を掘りだして遠くに放逐すれば、疫病の流行はぴたりと止まるという。

 あるとき家族全員が疫病にかかり、ほとんどが夢を見ながら死亡した。これは地中に潜む子鬼[勹の中に子]のせいである[おそらく瘧(おこり)、つまりマラリアのこと]。子鬼がいるところの地面には草が生えず、むしろのごとく、つるつるしていて光っている。「掘ってこれを取り払うと、すなわちやむ」。

家の中が人でいっぱいで、わけもなく筋違いを起こしたなら、これは部屋の西の壁の下にいる「会虫」[蛇のようなもの]が怪を成したのである。部屋の西南角の高さ五尺(1メートル半)に鉄錐を強く刺す。するとかならず会虫の首に突き刺さる。それを掘りだして取り除く。怪異現象はこれでなくなる。

 家族の誰かのよだれがとまらなくなったら、それは「愛母」が部屋にいるためである。「愛母」は杵ほどの大きさで、体は赤白まだらである。それが接する地面に水があればすなわち干からび、乾いていればすなわち湿る。屋内の地面を三尺掘り、猪矢草を焼くと、よだれの病は自ら癒える。


 古代巫術の書はつねに妖怪を掘りだして食べることができる、そしてその味ははなはだおいしいと述べている。『日書』「詰篇」にいう、家族の人がみな息をするのが困難になり、動きが鈍くなることがある。これは「状神」が室内に潜んでいるだめである。地面や泉を掘ると、状神を捕まえることができる。馬の尾と犬の首を持つも五赤い豚である。「これを煮て食えば香りよくおいしい」という。

 この書にまたいう、狼はいつも門の前で叫ぶ。「おれのために門をあけてくれ!」と。これは鬼ではない。しかし「殺して煮て食べると、おいしい」。これと掘りだし呪法は関係ないが、方士の好物の妖怪なのである。

『白沢図』には何度も妖怪を捕食したことが書かれている。「彭侯という名の木の精、見たさまは黒犬のようで、尾はなし、煮てたべるとおいしい。また千載木というのがあり、その中に虫がいる。名を賈詘といい、見た目は豚に似て、頭が二つある。これを煮てたべると犬肉のようでおいしい」。この書はまた水を飲む精怪罔象に触れている。「これを縄で縛り、煮て食べることができる」。