(4)分娩の際の座る向きと姿勢 

 ほかに天気運行状況と諸神方位を根拠とする「避凶趨吉法」がある。これによって産婦が分娩するときの座る向きと座る姿が規定される。[道教の天地人の三気の一つ。また運気学説によれば、風寒暑湿燥火六気が天を司り、司天の気を三の気となす。南方に位置し、天気と称す。単純に天に充満する気という解釈もある]

 『産経』に言う、「婦人は乳を産む。まず十二月神図を詳しく見よう。天気が順当であれば、日虚月空に向かう」。術士の間では早くから「按月画分馰択吉図」、「長沙子弾庫楚帛画十二月神図」、馬王堆漢墓帛書『胎産書』中の「禹蔵図」、これらは等しく吉の月を選ぶのに用いられる図である。

 『産経』のいわゆる「十二月神図」は分娩のために吉の月を選ぶ図である。「日虚月空」は専門用語だが、何を指すかは不明。

『産経』はまた言う、「正月、九月、十一月は天気南行で、産婦が南を向き、左膝を丙地、あるいは丁地に着けて座れば大吉である。

 二月、四月、十二月は天気西行で、産婦が西を向き、右膝を辛地、あるいは庚地に着けて座れば大吉である。

 三月、五月、七月は天気北行で、産婦が北を向き、右膝を癸地、あるいは壬地に就けて座れば大吉である。

 六月、八月、十月は天気東行で、産婦が東を向き、左膝を甲地に就いて座れば大吉である。

 古代の五行の配置を見ると、甲乙は東に属し、丙丁は南に属し、戊己は中をなし、庚申は西に属し、壬癸は北に属す。『産経』の言う某地に座れば大吉というのは、家の中のふさわしい方位に対して座れば災禍を避けることができるという意味である。