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 灰の熱が冷めた頃、ケサルはティルティカ城に戻ってきた。火の勢いがすさまじかったので、壁もそこにいた人々の痕跡も失われていた。唯一の例外は鉄でできた一室だった。そこにはブッダの教えの宝がしまわれていたのである。

 ケサルが隕石の鉄の矢を焼け残った構造物に放つと、それは外壁を粉砕し、ブッダの言葉のコレクションがあらわれた。ケサルはそのなかからいくつかの経典を取り出し、パンディット(博識の学者僧)に変身すると、馬に乗り、教えを説きながらネパールやチベットを通ってリンへ戻った。