それでもヒラリーが勝つ!? 

インド占星術による大統領選予測 

ヒンドゥー学の泰斗デイヴィッド・フローリーが『リシの占星術』(1990年刊、2000年改定)のなかで、実践例としてガンジーやヒトラーらほかの28人とともに、ヒラリー・クリントンを占っています。
 以下の通り、この占星術の結果(遅くとも2000年ということになる)を見るかぎり、ヒラリーが大統領選に勝っても不思議ではありません。最近の雰囲気を見ると、メール問題で一時は窮地に立たされ、一方の共和党の大統領候補に指名された(7月19日)ドナルド・トランプ氏がリードしているような流れがありますが、占星術上はヒラリーが強運の持ち主であることを示しています。このあと数十年にわたって権力を持ち続けるというのは、大統領になり、任期が終わったあとも影響力を保持するということなのでしょう。もしかすると娘さん(チェルシー)が有力政治家になるのかもしれません。
 もっとも、トランプ候補の占いの材料を私は得ていないので、ここでは占うことができず、どちらかに軍配をあげることはできません。言えることは、ヒラリー・クリントン候補が大統領になるべき運勢を持っているということです。(宮本) 


 大統領選の結果はご存知の通り、トランプ候補(そろそろトランプ大統領に慣れてきそうだ)の勝利に終わりました。ヒラリー・クリントン氏とともに敗北宣言をせざるを得ません。正確には16年前のフローリーの敗北ということです。しょせんは当たるか、当たらないか、であり、予言とは異なっているのです。一日前ですら、知る限り木村太郎氏を除く識者の大半がヒラリー当選を予測していたのですから、16年前の占いが当たるはずもありません。未来の予言をするなら、ノストラダムスのように、可能性を引き出しやすいあいまいな詩を作るしかないでしょう。ヒラリー敗北には落胆させられましたが、あくまで個人を占う場合の模擬練習にすぎません。どのように占星術のチャートを作るか、これからも想定答案集を作っていきましょう。

   

 ヒラリー・クリントンの場合、10番目のロードである木星のアスペクトで、魚座の10番目のバヴァ(室、ハウス)が強力な月。ラグナ(アセンダント)は弁舌にすぐれた双子座である。ナヴァムシャ・チャートでも月が10番目のバヴァ(室)である。これにより彼女は公衆を面前として社会的にも政治的にもパワフルなリーダーとなれる資質を持っていることがわかる。

5番目のバヴァ(室)ならびに5番目の支配者のアスペクトによって、会話の2番目のバヴァ(室)が火星であることから、会話の強力な批判的パワーが彼女に与えられていて、それによって彼女は強力な弁護士である。全体的に5番目のバヴァ(室)は水星のラージャ・ヨーガとともに、4番目、5番目のロードとしての金星とともに強力である。このことによって、彼女は世界でもっともパワフルな政治的リーダー、すなわち米国大統領のよきアドバイザーである。

 彼女の7番目のロードであり、女性のチャートの夫を示す指標でもある木星は、敵の6番目のバヴァ(室)のなかでケートゥに悩まされる。これによって彼女の結婚の周辺にはたくさんのはかりごとがあることがわかる。彼女と夫両方の前に、たくさんの敵が現れる。土星がまた月からの7番目のバヴァ(室)を悩ませる。しかし7番目のバヴァはナヴァムシャのなかでは、木星のアスペクトによる金星が強力である。

 彼女の夫ビル・クリントンは、1992年11月、すなわち彼女のパワフルな金星・月の時期に、大統領にえらばれた。金星は双子座ラグナ(アセンダント)にとってもっとも強い惑星である。そして10番目のバヴァ(室)の月によって彼女は大衆の前に出ることになる。1993年1月にはじまる金星・火星の時期に軋轢と論争が現れ、夫の大統領の執務がはじまるとともに彼女はすぐそれ(軋轢と論争)に巻き込まれることになる。

ヒラリーのチャートは、金星の時期から2007年までつねに強く、2013年以降の月のダーシャの時期にもっと強くなる。彼女の月のダーシャは彼女のベストの時期であり、高いポジションを得たあと、つぎの数十年の間、圧倒的に重要な政治的人物でありつづけると考えられる。