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最後に、ボン教の神々のパンテオン、教義、そして聖典について概観しておこう。ラマ教(チベット仏教)と同様、ボン教の神々の体系も極めて広範なものとなっているため、ここでは『セルミク』に描かれた神々の世界を主軸とし、必要に応じて他の文献からの言及も交えながら、その全体像を概説するにとどめる。
まず留意すべきは、西アジアや仏教の影響下で主にシャンシュン国において形成された後代のボン教の神々の体系に加え、アニミズムやシャーマニズムの時代に由来する、いわば名もなき古来の神々が、民衆の心の中に生き続けているという点だ。この宗教における最高原理であり、同時に、あらゆる悟りの知恵の源泉となる超越的な「根源の師(ウルグル)」――その性質は多くの金剛乗(ヴァジュラヤーナ)の体系における「原初の仏(アーディ・ブッダ)」に類するもの――は、「クントゥ・サンポ」(普賢仏 サンスクリット語ではサマンタバドラ)と呼ばれている。言い換えれば、それはパドマ教(チベット仏教)の「原初の仏」と同じ名を冠しているわけだが、言うまでもなく、諸宗教が習合したボン教は、このパドマ教と密接な関係にある。
哲学的観点から見れば、このサマンタバドラは究極の絶対者、すなわち法身(ダルマ・カーヤ)を体現する存在であり、ここでは「ボン(Bon)の実体」(ボン・ク/Bon-sku)と呼ばれている。この概念は、多くの肯定的特質(覚醒した至福など)を備えてはいるものの、大乗仏教における「空(くう)」の概念と本質的には同じもののように思われる。例えばシェンラブは、最高天から最終的に去った後、「完全なるシェン(gShen)」の領域にあり、空間へと広がっていった。『セルミク』によれば、「心(sems)」の創造者はサマンタバドラと呼ばれ、「識(yid)」を生んだのはその妃サマンタバドリーであるとされている。
このように「アディ・ブッダ(根源的仏)」であるサマンタバドラと並んで、関連する体系と同様に、彼のシャクティ(女性的エネルギーの源)も存在する。彼女は、男性パートナーの名を女性形にした名称で呼ばれることもあるが、通常は「偉大なる母(ユム・チェン)」サティグ・エルサン(Sa-trig er-sangs)と呼ばれる。
これら二者の創造的な交わりから、各劫(カルパ)において、「歓喜の神」(天上の言葉による表現)――すなわち報身(サンボガ・カーヤ)――と、「世界の神(シド・パ)」――すなわち「変化する身体」である応身(ニルマーナ・カーヤ)――が生み出される。そして後者が、我々の目に見える世界を導き、統治する。
『セルミク』の第一章を検討した結果、我々は、かつての時代の「ボン教の救済者」であるトギャル・イェムキェン(gTo-rgyal ye-mkhyen)と共に三尊を形成していた、当該時代の二柱の神を特定するに至った。
現在の劫(カルパ)における三尊(トリアス)は、智慧の神シェンラ・ウーカル(gShen-lha od-dkar)、世界の神サンポ・ブムティ(Sangs-po
'bum-khri)、そして師シェンラブ・ミボ(gShen-rab mi-bo)によって構成されている。『セルミク』の招請のマントラにおいては、生成する生命の輪に属さない偉大なシャクティ(女性原理の神格)、サティグ・エルサン(Sa-trig er-sangs)がこの三尊に加えられ、聖なる四尊が形成される。神々とその属性についての記述を含むこの招請のマントラは、『セルミク』の画像との比較から明らかなように、図像に基づいたものである。その内容はつぎの通り。