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 夜になり、男女の若者たちはひそひそと言葉をかわしました。夜が明ける頃、かれらは大きな声で笑い、楽しみました。若者たちは話し合いました。老人の長寿を用いて、自分の寿命を長くしたいものだと。樹木の長寿を用いて、花の寿命を長くしたいものだと。川の水の長寿を用いて泡沫の寿命を長くしたいものだと。若者たちは移動して下のほうへ行きました。そこにサツェという名の白鶴がいました。白鶴は若者たちを出迎えしようと声をたてました。しかしその声は天空に響き渡り、大雨が降ってきました。そのため白鶴は若者たちを迎えることができませんでした。つぎにホトトギスが若者男女を迎えようとして言いました。「青年に食糧はなく、少女に新しい服はない」と。これで若者たちを迎えることができなくなりました。つぎにタカが若者たちを迎えようとして一声叫びました。すると強風が吹き荒れて天は砂塵に満ちました。そのため若者たちを迎えることはできませんでした。つぎに湖のアヒルが若者たちを迎えようとしていました。しかしその長くて平たいくちばしで食べ物ばかり探していたので、若者たちを迎えることはできませんでした。つぎに鹿が若者たちを出迎えようとしました。しかし母は松林に、子は栗林にいたので、迎えることができませんでした。岩場に住む羊も出迎えようとしましたが、母は高所の岩場に、子は低所の岩場にいたので、若者たちを迎えることができませんでした。川で泳ぐ魚も出迎えようとしましたが、大魚は川の底に、小魚は川の表面にいたので、若者たちを迎えることができませんでした。水辺に住むカラスも出迎えようとしましたが、肋骨を包む皮が脆弱であったため、若者たちを迎えることができませんでした。

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