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(少年ジョル、離れかけて止まり、振り向く)

「なんだ、恐いんか?」

「わたし、恐くはないけど……」

(ドゥクモ、はたと気づく)

「まずいわ、リン部落の移住の件を出しても拒絶されてしまうわ」(と心の中で思う)

(ドゥクモ、急にニコニコする)

「なんとか思い直させないと……」(と心の中で決意する)

「ねえ、やっぱりわたし間違ってたわ。あなたといっしょに行っていいかしら」

「いいよ、それでも。でもその前に馬を探すのを手伝ってくれよ」

(キョトンとするドゥクモ)

「あの馬を捕まえる? どうやって?」

「うーん、罠もうまくいかなかったようだし、ここは……」(と少年、考え込む)

「おまえが餌になっておびき寄せるんだ!」

「ええっ、魚釣りじゃないのよ!」「まず馬を探してよ!」(と、ぷんぷん怒りながらドゥクモが言う)

「そもそもあんた、なんでこんなに成長が早いの!?」(少女)

「おれが悪魔だっていいたいのか? そんなの人の勝手だろ!」(少年)

(喧嘩しながらも仲好さそうなふたりを見て、あきれた顔の犬)

「じゃあゴクモは?」(ジョルの母親が悪魔でないか聞く)

「おかげさまで元気だよ!」

「ふん、だれもみんなあんたとおなじってわけね」

「おれが言いたいのは、あんたも体よく追い出されたってことだ。はは、これぞ因果応報ってやつだ!」

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