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(馬上のトトンがいさめるように言う) 

「王妃がひとりで走り回ってはいけませぬ。さあ、お乗りください。わたくしめがお送りいたしましょう」 

「王妃じゃないもん! ほっといてちょうだい!」 

「このことはドゥクモさんの家で決められるものではありません。それにあなたはいずれわしの……」 

(トトン、ドゥクモの肩に手を伸ばす)

(トトン、異変に気づく) 

(トトンの伸ばした手の先を矢がかすめる)

(稲妻のごとき矢がトトンをかすめてその先の木の幹に当る) 

(木の幹に刺さった矢) 

(馬に乗った少年ジョル) 

「あれ、ごめんなさい」 

(ジョルのややおとなになった顔のアップ) 

「いま叫び声を聞いて、野豚が叫んでいるのだと思いました」 

(歯をむくトトン) 

「このガキ、何をしたいんだ!?」

「あれ、あなたたちも狩りに来たんじゃないのですか」 

「ジョル……」(ドゥクモの心の中) 

「いまもしかして……」(私を助けてくれたのかしら、とドゥクモは考えた) 


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