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 何か月も何年も瞑想を実践するということは、「五つの特性」を培うということです。「なぜわたしは瞑想をしているのか」と自分自身に問うたびに、あなたはこれらの特性とふたたび結びつくのです。

 第一の特性は、つまりわたしたちが瞑想を実践しているときにすべき第一のことは、不動心を培い、育てることです。このことについてわたしはかつてある女性に語ったことがあります。そのとき彼女がわたしに聞いてきました。「この不動心というのは、誠実さのようなものなのでしょうか。わたしたちは何に対して誠実だというのでしょうか」と。瞑想を通してわたしたちは自分自身に対してより誠実にならなければなりません。この不動心をわたしたちは瞑想をしながら育てていき、人生体験に対する誠実さへとすみやかに変換するのです。

 不動心とは、あなたが坐って瞑想を実践するとき、起こっていることをそのまま受け入れるということです。その瞬間、あなたの心は時速100マイルで走っていて、体は引っ張られ、頭はたたきつけられ、心は恐怖でいっぱいかもしれませんが。問題はそこです。たとえば一時間坐ったとしても、何も改善されないことがあります。あなたは言うかもしれません、「この瞑想のセッションはよくないな。よくない瞑想セッションを受けてしまったのだ」と。でもあなたは10分、15分、20分、30分、1時間と、ともかくも望んで坐ったのです。それは自分自身に対する誠実さや不動心を高めるための心のこもった姿勢なのです。

 わたしたちは起こっていることに対し、多くのレッテルを貼り、意見や評価に流される傾向があります。不動心、すなわち自身に誠実であるというのは、このような評価に流されないという意味です。不動心は、心が時速百万マイルで暴走し、すべてのことについて考えたがるのを、そしてこのとき何の努力もしない不用意な瞬間があることを知っているのです。体験に動かされないようにしなくてはなりません。

 瞑想においてあなたは誠実さと不動心、そして自分自身に対する忍耐の特性を培います。そしてわたしたちは瞑想をして学びながら、瞑想外のあらゆる状況に、またわたしたちがポスト・メディテーション(後・瞑想)と呼ぶものに耐えることができるようになります。

 


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