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 バード少将の証言は抑圧されたかもしれないが、オラフ・ヤンセンの証言を封じるには遅すぎた。一世紀前、ノルウェイの漁師は北極の穴へ航行していたのである。彼はそこで進歩した文明の人々と出会っていた。彼は地底の都市のツアーに連れて行かれ、支配者に紹介された。死の床でヤンセンは原稿を――航海の記録を――作家のウィラード・ジョージ・エマーソンに託した。エマーソンは原稿の文を編集して『霞たる神』(スモーキー・ゴッド)として出版した。

 『霞たる神』はクラフが計画していた航海のインスピレーションの源となった。彼は極地の穴を見つけるだけでなく、進化した文明と接したいと願っていた。

 ここにクラフの本の宣伝文句を引用しよう。(ウェブサイトより)

 

 『世界のトップシークレット:地球は空洞だった!』はあなたが待ち望んでいた本だ。ついにここに米海軍少将リチャード・エヴリン・バードによって発見された両極の向こうの美しい土地の秘密が明かされる。

 『世界のトップシークレット:地球は空洞だった!』の目次。まるでロスト・アンド・フォウンド(遺失物取り扱い所)の宣伝のようだ。

<目次> エデンの園:発見! 失われた十支族の地:発見! 空飛ぶ円盤の起源地:発見! ダビデの玉座:発見! 楽園・発見! エノクの都市:発見! 空洞地球の天命、オーロラ、ヴァン・アレン帯、地震を含む科学的証拠が地球空洞の証拠! さらにつづく五つの章が「地球が空洞で超巨人の種族が住んでいる」ことを証拠付きで明かしている。

 

 もしこの本が単に地球空洞説を支持する論文なら、シムズ船長が書いたものや他の理論同調者と同類ということになるだろう。しかし『世界のトップシークレット:地球は空洞だった!』はそれ以上のものである。基本的テーマは宗教的である。クラフは失われたイスラエルの支族がエデンの園を探しに北極へ移住したと信じている。彼らは極地の穴の中を下りながら内なる大陸を発見する。

 種族は地の楽園で過ごすようになる。彼らはなおもそこに住み、何世紀も生きる長生きの巨人に進化した。また彼らは神の国を建設した。神の国はいずれ地球全体に広がっていくことだろう。

 北極地球内部遠征隊の目的は極地の穴の発見だった。(それはエレズミア島付近で、90マイル四方の大きさと考えられた)。しかし究極の目的は野心的なものだった。

 

 私たちの希望は地底に住む文明人とコンタクトを取ることでした。極点近くで地底人と会い、地上に平和裏に戻ってくることを考えました。アグニュー博士(遠征隊の隊長)はヤマル号のオーナーが私たちを極地の穴に入れ、機械設備を危険にさらすとは思えません。それでも極地の穴に接近して存在の証明を見つけ、地底世界の人々と会うことができるかもしれません。そして彼らの乗り物に乗って地底世界を案内してくれるかもしれません。

 

 先達のオラフ・ヤンセンのように、ロドニー・クラフはすぐに巨人族と仲良くなれるかもしれない。

 ヤマル号(船上は快適で、設備も整い、文字通り氷上のモーテルである)には遠征に参加したい人々のための空室がまだあった。もっとも、クラフは極地の穴が見つかる保証はないと強調している。しかし航海で十分な体験が積めることは約束された。船上の活動には、オーロラ観測や海洋生物学のレクチャー、極地の天文学、地球空洞説の学習、人間意識トレーニング、それにコンサートが含まれていた。

 確かなことは、ヤマル号が――7万馬力の破氷船――北極に達するであろうことである。その上でポールが氷に打ち込まれるだろう。そして遠征隊のメンバーはそれを祝ってダンスを踊るだろう。

 

 


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