チベット占星術 

4章 年表と暦の主な構成 

 この章では中国占星術を基礎としたシステムであるジュンツィ占星術の主要構成について説明したい。これらの構成からチベット年表の枠組みが作られていて、占星術研究のもっとも重要な解釈要素として、そもそもの最初から理解されていた。これらの要因は宇宙ないしは惑星のエネルギーと地上のエネルギーの相互作用から派生したものである。われわれが取り扱うのは惑星ではなく、地上と接触する活動である。

 しばしば言われることだが、中国占星術は占星術のシステムというより風水術である。また中国占星術で圧倒的なのは漠然とした推論ではなく、現実的な地上の体験である。

 

5つの元素 

 中国の五元素はチベットではジュンワとして知られる。すなわち木(シン)、火(メ)、地(サ)、金属(チャク)、水(チュ)の五つである。これらの元素を宇宙の要素(地、水、火、気、エーテル)と混同してはいけない。それらはインド占星術において物質や微細な現象の主要要素を形作るものである。このように体において地は肉と骨が表す。水は体の液体を、火は体の熱を、気は風を、エーテルあるいは空間は意識に相当する。

 中国の五つの元素は少しだけ異なっている。それらは実際、つねに互いに作用しあう変容の自然の力なのである。この元素という言葉はダイナミックな原理、すなわちエネルギーの原理として理解される。著者によっては混同しがちの元素(エレメント)よりも「エージェント」(作因)を好むようである。しかしながら木と気を、金属と地を同化させることで、二つのシステムを通じ合うようにすることができる。

 元素の名前――木、火、地、水、金属――はシンボリックだ。元素は類推によって描かれる。しかし同じ名前の物質とは何の関係もない。元素そのものにいい、悪いはない。しかしながら互いが接することで、親和性に従ってそれぞれが反応するのである。それゆえ「好ましい」「ニュートラルな」「害になる」関係が生じる。元素はまた多すぎるとき、あるいは少なすぎるとき、危険なものになるかもしれない。

 


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