義母の婿いじめ
エンドラは娘サマンサが人間と結婚したのが許せず、婿のダーリンをいじめたがる。彼女は婿の名前を覚えようとせず、ダーウッド(Durwood)、ドビン(Dobbin)、デルモア(Delmore)、ダリル(Darryl)、ダーウィン(Darwin)、ダーンドゥル(Dirndl)、デルウッド(Delwood)などと呼んでいる。またつねに「下等動物」と呼び捨てている。この「下等動物」は実際何と呼ばれているのだろうか。じつはもとは「死すべきもの(mortal)=人間」である。「退屈な人間(dreary
mortal)」などと呼び捨てる。このドラマの設定では、魔女は神と同類で、「不死の存在(immortal)」なのである。ダンテの作品にでもでてきそうな時代がかった表現が面白いのだが、日本人にはわかりにくい。「下等動物」という訳は苦肉の策といえるだろう。
またエンドラやモーリスはダーリンを「類人猿」と呼ぶことがあるが、これはエイプ(ape)の直訳である。