スティーブンス家はユダヤ系?
シーズン1や2では、家の玄関口にユダヤの燭台(メノーラー)が置かれている。スティーブンス家はユダヤ系という設定なのだろうかと本気で思ってしまった。しかしクリスマスのエピソードも多く、どうやらユダヤ系というわけではなさそうだ。おそらく「人種差別はしない」というメッセージがこめられているのだろう。そもそも魔女はキリスト教徒ではないはずだが、物語の設定上キリスト教徒のように見える。
[註:メノーラーの最初の記述は聖龕に飾る燭台として「出エジプト記」25-37「ともしび皿を七つ造り、そのともしび皿に火をともして、その前方を照らさせなければならない」とある。のちにソロモンの神殿に飾られた。1世紀のローマ皇帝ティトゥスはソロモン神殿を破壊したあと、このメノーラーを持ち去ったといわれている。枝、節などすべて純金でできているので、相当高価なものであったはずである]
ただエリザベス・モンゴメリーの夫、プロデューサー、ディレクターのウィリアム・アッシャーはユダヤ系である(母親はカトリック)。彼の好みでメノーラーが置かれた可能性はあるだろう。またユダヤ教の神秘主義カバラーにおいてはメノーラーは象徴的な意味を持っている。魔女とカバラーは直接的には関係ないが、このドラマがたんなるスラップスティック(ドタバタ喜劇)ではなく、根底に深遠な神秘思想があることをほのめかしているのかもしれない。
さてシーズン7には、黒人一家がスティーブンス家を訪問し、タビサと黒人の女の子が姉妹のように仲良くなるという物議を呼んだエピソードがある。タビサが黒人になったり、黒人の女の子が白人になったりする設定は、現在ならアウトだろう。