スティーブンス家の住所はドラッグ文化を反映している? 

 サマンサとダーリン・スティーブンス夫婦(+タビサとアダム)が住む家は、ニューヨーク市から北東に52マイルのウェストポートのモーニング・グローリー・サークル1164にある。隣のクラヴィッツ家は1168である。実際にモーニング・グローリー・サークルというありふれた地名をウェストポート市に探しても、見つけることができない。

 モーニング・グローリーとはアサガオのことだが、その種子はLSDと似た成分を含み、ドラッグとみなされることがあり、強烈な幻覚作用をもたらす。ドラッグを奨励しているわけではないだろうが、このストリート名は当時のはやりのサイケデリック文化を反映しているかもしれない。

 ほかにもニュージャージー州パターソン、ニューヨーク州内のどこか、ニューヨーク市郊外のアーモンク(ニューヨーク州)などが住所として想定されてきた。最後の二つは同一かもしれない。

 これらはいずれもアッパーミドルクラスが住む町。現在ならスティーブンス家の年収は2千万円くらいだろうか。広告会社の幹部だからもしかするとその何倍ももらっているかもしれない。サマンサが余裕で専業主婦ができるはずである。上司(社長)のラリーはしばしば部下のダーリンがスポンサーを連れて独立するのではないかと心配する。独立されないためにも高給を払っているはずだ。

 設定上はスティーブンス家はニューヨーク郊外のベッドタウンにあることになっているが、撮影場所はカリフォルニア州バーバンのワーナーブラザース・ランチ・ファシリテートである。『パートリッジ・ファミリー』や『かわいい魔女ジニー』といった名作ドラマもここで撮影されたという。

 ただし撮影されたのは外側だけで、部屋の中はあくまで3キロ離れたスタジオの中。突然部屋の壁に穴があき、父親モーリスが乗ったオープンカーが入ってくるシーンがあるが、もちろんスタジオだからこそできることである。