偉大なる人物の暗殺で放送が中断された? 

 放送が臨時ニュースで中断されたのではないかと指摘されるのが、シーズン4エピソード28「ユメでよかったナ(I Confess)」。(デーヴィッド・L・ピアース『奥さまは魔女ヒストリーブック』) このエピソードが放送されていた1968年4月4日、キング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)がメンフィスで暗殺されたのである。放送していたABCは中断して臨時ニュースを送ったはずだが、国民の多くはCBSにチャンネルを変えて、名アンカーのウォルター・クロンカイトが送るニュースを見たのである。放送の中断のあと、再開されたかどうかは確認できない。別の日に放送されたかどうかもわからない。もしかすると、このエピソードを見逃してしまった人も多かったのかもしれない。

 このエピソードはわたしのお気に入りのひとつ。サマンサが魔女であることを公にしたらどんなことが起こるかについて描いた興味深い話である。サマンサの能力はアメリカ合衆国をも助ける偉大な力であり、いわば国家機密だ、ということでスティーブンス家に国家組織のエージェントがやってきて、家族を国の隔離施設に入れてしまう。もちろんこれはサマンサが魔法でダーリンに見させた夢。ダーリンは魔法をかけられたことさえ気づかなかった。