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月事布から想像を広げてほしい。古代の術士は褌裆(ふんどし)、汗衫(肌着)といった女性の下着を巫術の霊物とみなしていた。医家の説明によると、「褌」(こん)はとくに内褲(したばき)の類の褻衣(下着)である。彼らは女人の「褌」(こん)を裆部に用いることを強調している。知っておくべきことは、医家が女人の褌裆を薬とするとき、おもにその「穢悪」(よごれ)から取っているのである。
後漢末張仲景『傷寒論』に言う、男女とも傷寒(腸チフス)が癒えたとき、なお熱毒がある。そのときにもし同房(床をともにする)したら、病毒を相手に移してしまう。このように腸チフスから癒えたばかりのときに軽率に同房によって移す病気のことを陰陽易病(男の患者は陰易病、女患者は陽易病)と呼ぶ。
患者の身体が重く、気力に乏しいとき、あるいは「頭が重く、力が出ない。目がかすんでよく見えない」。これを治療するには「隠所の褌(こん)を燃やして灰にして、計量のさじ一杯分を水で服用する。一日三服。小便も効き、陰頭がかすかに腫れていても、たちどころに治る。男は女の褌を用い、女は男の褌を用いる」。
葛洪はこの医方をさらに明瞭に説明する。「近しい婦人の陰上の褌を裂いて取って、燃やして粉末にする。計量さじ一杯分、日に三度、小便すなわちよく効く。陰部がかすかに腫れた者、まさに癒える。童女の褌を得ることができれば、さらによい。もし女が病を得たなら、床の褌を取るといい」。
『千金方』巻十「労復」に記された「人と交わることで病がぶりかえしたとき、陰卵が腫れたり縮んだり、腹中が締め付けられるように痛んだり、通じが悪くなったりした場合の処方がある」。それは「交わった婦人の衣裳で男子を覆うことで、これですぐ治る」。この婦人の衣裳とは、女性の褌のことである。この方法は褌裆(ふんどし)の灰を飲むより簡単ではあるが、巫術的な」ものである。
その他の医書は言う、産婦が胞衣(えな)をなかなか下ろせないとき、この婦人の褌で井戸の上を覆う。あるいは着ていた衣を竈(かまど)の籠の上に置く。
褌を洗った水は月水と同様、矢毒を解く。
褌裆(ふんどし)を用いて中邪を引き起こした卒中を治すことができる。
「手足の拳が冷たく、口や鼻から出血するとき、長く尿で汚れた衣を燃やして灰にし、毎回二銭(10克)ほどの量を飲む。あるいは沸かしてそれを飲む。男は女の褌を用い、女は男の褌を用いる」。