(11)響聴
唐代以降民間では、「鏡聴」、または「響卜」と呼ばれる特殊な占い術が流行した。これは懐に鏡を入れて表通りに行き、人の話を聞き、その最初のことばから未来を予測するというもの。唐代詩人王建の『鏡聴詞』はこのことを書いている。
宋人陳元靚(ちんげんせい)『歳時広記』巻七には「鬼谷子響卜法」がくわしく紹介されている。
鏡聴術は照妖鏡法術の変種である。五代に至ると、孫光憲『北夢瑣言』が、南方人は鏡で亀尿を取るという珍聞を述べている。荒唐無稽な話だが、上述のことが伝えられるうちに変化したものだろう。