(6)麺蛇を釘打つ
唐宋の時期に流行した疫鬼を呪詛する法術があった。まず麺(小麦粉)をこねて蛇形を作り、よく炒った黒豆とよく煮た鶏のたまごを準備する。正月一日夜四鼓時分[鼓は更と同じ。四鼓は深夜]、探してきた姓名の異なる三人が地面に穴を掘る。麺の蛇、炒った黒豆、煮た鶏卵を三度鉄釘で打つ。そして呪文を唱える。
「蛇が行く、すなわち病が行く。黒豆が生きる、すなわち病が行く。鶏子(たまご)が生きる、すなわち病が行く」
呪文を唱え終わると、これら三つのものを穴に入れ、埋める。呪文の言葉を最大限にきわめて疫病の流行を不可能にする。古い詩の中にある「冬雷震震夏雨雪」という呪誓[誓いを立てる呪文]と似ている。