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<野道> 

 野道は無主遊蠱(所有者のいない、ふらついている蠱)のことを指す。その活動場所が田畑や道路であることから「野道」と呼ばれる。『隋書』「地理志」に言う、梁朝侯景の乱のあと、蠱主の大多数が滅び、多くの所有者のいない蠱が「道路に飛んでいった」。隋開皇十八年の詔書によって「野道」の行を禁じた。唐代の医学書には少なからず野道の治療の仕方が書かれている。その治療法の多くは猫鬼の治療の仕方を兼ねている。


(トカゲ)蠱と蜣螂(クソムシ)蠱>

 蜴蠱、すなわち蜥蜴(トカゲ)蠱、百虫が互いに食い争ったあとただ一匹残ったトカゲである。蜴蠱患者の顔の色が赤黄色で、腰や背中が重くなり、舌の上にできものができるなどの症状が現れるという。蜣螂蠱患者の顔色は青く、毒ができて蜣螂(クソムシ)に似たものを吐きだす[澤田瑞穂はうじむしと訳しているが、その根拠を私は確認できていない]。文献に記載されているものを見ると、これらの症例はそれほど多くない。


蛤蟆(かえる)蠱>

 隋代の医術家が言うには、「顔色は白く、青い。おなかが膨張し、さながら虾蟆(ヌマガエル)のようである。もし成虫であれば、オタマジャクシのような形のものを吐きだす。これが蛤蟆蠱である。「蛤蟆蠱の特徴は蛤蟆が精怪となることである。袁牧『子不語』巻十九「虾蟆蠱」には、ある人の頭のてっぺんから生きたカエルが出てきて人を怖がらせたという話が記されている。民間の蛤蟆蠱が持っている神秘的なイメージを反映している。