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古代の巫医は赤い小豆を多方面の用途に用いた。その一つが無子の疾患の治療だった。
『玉房秘訣』に記載される求子法はもっともおかしなものである。
「婦人の無子を治すために、婦人の左手に小豆二十七粒を持たせ、右手で男子の陰頭(亀頭)を支え、女陰に入れさせる。左手で小豆を口におさめ、女は自ら陰同(通)を入れ、男の陰精が下りたら、女は小豆を呑み込む。すべてがぬかりなくおこなわれるべきである。女は男の精が出たのを知り、時間(タイミング)を失わないようにしなくてはならない。
ここにおいて赤い小豆は陽精を強化する霊異の物とみなされる。すなわち婦女が身ごもって生む男の子の霊妙な種子となる。
古代の術士は「合陰陽」の日時と生まれた子の関係を特に重視した。彼らは子丑寅卯の「子」と生子(生まれた子)の「子」の字がおなじことから、先験的に子の日を定めるのに、子を含む日にしたのである。子の日を規定するのに、とくに戊子日、庚子日、壬子日が、求子、夫婦合陰陽を行なうのに最適な日時なのである。
『葛氏方』には「婦人の不生子[子を授からないこと]を治す医方」が載っている。「戊子日に婦人に脛(すね)をさらして横になってもらい、頭を北西に向けて交接する。五月、七月の庚子日、壬子日であればさらによい。
『枕中方』はすなわち言う、「子日に生まれてほしければ、子日正午、南に向き、陰陽合わせで寝る。効験あり」。南方は陽気が充満している地であり、正午は陽気が充溢する時である。術士は求子方を練るとき、厳格に陰陽原理を追うものである。
一部の術士が強調するように、夫婦は子日に交わると同時にその他の法術を使用し、その他の霊物(縁起物)を服用する。
『新録方』に言う。「つねに戊子日の日中に陰陽を合わせ、髪を解いて振ると、たちまち得る」「。「髪を解いて振る」と似たものとしては、髪を振り払う、衣を振るなどがある。髪を解くとは、もともと一種の辟邪法術であり、秦簡『日書』や秦文公伐梓樹の神話などはこの方法に言及している。
『葛氏方』に言う、満開でない桃花を取り、陰干しすること百日、そのあとよく搗いて粉末にする。戊子日、三指で(粉末をつまんで)酒といっしょに服す」、すなわち子を身ごもる。この法術には伝統的な霊物(縁起物)である桃花を配合して交わるという隠れた意味が含まれている。
『本草拾遺』は述べる。「夫の尿のしみた土によって子が授かる。壬子日、婦人はこれを少し取り、水といっしょに服用する。この日同衾すれば、身ごもっている」。