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古代の仏教徒は仏教専門の致孝呪法を生み出した。孫思邈が記録しているのは、「禁家令和」の呪文である。
南無伽帝膩、伽帝収溜避。
南無阿乾陀羅呵、弥陀羅灌陀沙婆呵。
呪文と組み合わせる儀方はつぎのとおり。
「ひとつかみの土を取って、呪文を三七回唱え、家の正門の下に置く。また呪文を唱え、土を取って、中門の下に置く。また呪文を唱え、土を取って、堂門の下に置く。また呪文を唱え、土を取って井戸の中に撒く。また呪文を唱え、土を取ってかまどの額の上に置く。かくのごとく七月、内外の自然は和順する」
孫氏はまた強調する。
「この法によって家の中の不孝な男子、不順な婦女はみな孝行者になる」。