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 財を成すことを夢見る術士は、呪符を用いて目的に達することを忘れはしない。『如意方』に言う、春の甲午、乙亥の日、夏の丙辰、丁丑の日、秋の庚子、辛亥の日、冬の壬寅、癸卯の日、その夜半に北斗に向かい、祈祷し、呪を唱える。「ある物が欲しければ、すなわちおのずと得られる」。具体的な呪文は記していないが、おそらく「欲しいある物」か、その験(望みがかなうこと)に関することだろう。

 『太上秘法鎮宅霊府』には多くの招財進宝や畜、蚕を守る霊符が記されている。典型的な致冨符を図(別図)に示したい。第一図は「招金銀入宅、富貴、不逢殃禍」(金銀を招く、わが宅に入れ。富豪にさせてくれ。災いには遭わないように)に用いる符。第二図は「招金銀入宅、大富貴」(金銀を招く。わが宅に入れ。大富豪にさせてくれ)に用いる符である。


 富を求めるのが目的の祭祀が民間で大流行していた。『五行書』は「ブタの頭を祀ることで、巨大な富を得ることができる」と述べている。

 明清の時代、趙公明、五顕神、劉市仙官ら財神らを祀る宗教活動はよく見られるようになった。これらの宗教活動は比較的低級の迷信活動と言えるだろう。