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巫術の実践の発展に伴い、致冨術からより効果が大きい如願術が派生した。人生のすべての願望が実現するには、基本的に富があることが必要になってくる。それゆえ如願術と致冨術は密接な関係がある。
『如意方』に記す「あるものが欲しければおのずと得られる」はすでに致冨方であり、如願術であるともいえるのである。
『五行書』の「ブタの頭を祀ることで、巨大な富を得ることができる」も、「発財致冨」(お金をもうけて金持ちになる)ということである。ほかの方術書のなかで「五月戊辰の日にブタの骨で(かまどを)祀る。如意を求める」というのも同じである。
おなじ種類の巫術の効果が無間に開かれる。本職が致冨なら、これが拡大して、如意でないものはなくなる。術士の手の中でこの二つの法術は、厳格に境界を示すものではない。
葛洪は言った。名山に入るとき、甲子の日、あるいは当月の開日、除日、五寸四方の五色の模様を染めた絹織物を岩に掛け、「求めれば必ず得られる」。これは五色の布の辟兵長寿術(武器による害を避け、長寿を得る法術)が変じてできた如意法術である。[開日は開通順利の日の意味。除日