3 実践の内容 

 実践をするために、あなたはしばらくの間活動を止め、日常の決まりきったことをやめる必要がある。それは問題から逃げようとしたり、自分自身や世界を置き去りにしたり、心の新しい状態を得ようとしたりするわけではない。反対に、できるだけダイレクトにあなたの真の自身やあるがままの世界と接しようということなのだ。

 

姿勢 

 瞑想の出発点は、自身の身体との関係を築くことだ。あなたはクッションに坐り、背骨をできるだけ伸ばし、頭を背骨のライン上に保つ。まっすぐな背中はわたしたち自身の体験と向き合う勇気を表している。一方で、開かれた、傷つきやすい胸、あるいは身体の前面は、わたしたちが触れるべきやさしさを表している。姿勢は、起こるすべてのことに触れるため、わたしたち自身から、わたしたちを抑制している防御と保護のメカニズムを除くという宣言である。

 あなたの目は開かれ、やや下方を向き、とくに何かを見つめるわけではない。おびただしいほかの瞑想テクニックは、より簡単に自分自身に入れるよう目を閉じることを主張する。しかしこの場合、増大する世界との直接的関係を開拓することが強調されている。

 この実践の形式では、姿勢はきわめて重要である。チョギャム・トゥルンパがよく言うように、映画館で見ている映画が面白ければ、きちんと坐るものだ。瞑想の姿勢にも、それぞれの瞬間、隠し立てがないこと、気配りしていること、そういった心構えが反映しているのだ。チョギャム・トゥルンパは生徒たちに、とくに身体や姿勢に集中してほしいと考えていた。もっとも厳格すぎたり、不自然になったりしないように気をつけながら。