輪廻転生制度廃止を 自分の死後とダライ・ラマ

2014.9.9 19:31 チベット (産経新聞)

 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(79)は9日までに行われたドイツ紙ウェルトとのインタビューで、生まれ変わりを探す方法で実施されてきた伝統的な後継者選び「輪廻転生制度」について、自分が死んだ後は廃止するべきだとの見解を示した。

 ダライ・ラマは2011年9月にも、制度の存続を再考する必要があるとした声明を発表している。今回は制度の廃止にまで踏み込み、自身の意向をより明確にした。

 ダライ・ラマは「5世紀近く制度を続けてきた」と指摘。自分は非常に人気が高いとし「人気のあるうちにやめるべきだ。弱いダライ・ラマになったら制度を傷つけることになる」と語った。

 さらに「チベット仏教は一個人に依存しているわけではない。われわれは非常に優れた組織を持っている」とも述べた。

 ダライ・ラマは1959年のチベット動乱でインドに亡命。89年にノーベル平和賞を受賞した。(共同)