テンパ・ナムカとは誰なのか
(西チベット・カルドン石窟近く)
この宇宙人みたいなボン教聖人の像が私は大好きだ。ミステリアスな存在そのものにも興味津々である。
ボン教版ゾクチェンの創立者として知られるが、双子の息子の片方がパドマサンバヴァというにわかには信じがたい伝説をもつ。
8世紀、吐蕃宮廷で仏教とボン教の論争が行われたときのボン教代表者。勝負は劣性だったかもしれない。というのも、その後テンパ・ナムカは仏教徒に転向してしまうからだ。まるでチベット版サバタイ・ツヴィ(イスラム教に転向したユダヤ教救世主)である。