ドルイドの森にて 

1 ドルメンと暗闇の本性 

 ロスは歴史家で精神的指導者であるとともに詩人だった。ドルイド教やそれに関連したテーマのエッセイは、歴史かとしての彼によって明確に書かれていた。しかしそれ以外となると、歴史や神話学の知識が詩人やドルイドとしての彼の声によって結ばれていた。これらのエッセイには異なる目的があった。つまり種をまき、希望を膨らませるための手ほどきであり、勇気づけ、目を覚まさせる文章であった。つぎのエッセイは、OBODのメンバーのために教えのテクストとして発行されたものである。

 

 アンヒューン・ドルメン(Unhewn Dolmen 切られていないドルメン)は現実と神秘世界の境界である。アンヒューン・ドルメンの本性を知っているのは私だけだと豪語するのはタリエシンだった。彼の本性は魚でも、肉体でも、鳥でもなかった。

 境界には守護者が立ち、剣が埋められている。剣を引き抜け。なぜなら剣はつねにあなたのものだから。戴冠の石にあなたの足をあわせよ。石のくぼみは、古代の王選びの儀礼のさい、あなたのために作られたのだから。そう、あなたは王である。それから獰猛な守護者があなたに宝を見せるだろう。守護者はもはやあなたにたいし、獰猛ではない。

 ここに祖先の家である古代の丘への入り口がある。ここのみが永遠の炎の家である。

 

 いかなる岩屋も、洞窟も、ドルメンも未知の世界へ通じるとばりである。これらの場所のいかなる暗闇も大いなる輝きを見せるためにある。あなたは暗闇のトンネルや漆黒の鏡を抜けて輝く天空に到達し、輝く太陽と出会うだろう。

 それゆえ暗闇の場所に敬意を払え。それは光輝の子孫である。暗い場所を通って明澄なる聖なる場所へと向かえ。