地の精霊 

 本書第1章の冒頭で、川岸近くで掘った土を使った、富を引き寄せる呪術について述べました。なぜそれを用いたかと言えば、そのあたりの土は、水を含んだスポンジのようにエネルギーが沁み込んでいるからです。川岸はお金を引き寄せる場所であり、お金を引き寄せるエネルギーが土に入り込んでいるのです。

 同様にヒーリングのために病院近くの土を、あるいは運を引き寄せるためにカジノ近くの土を使うことができます。あるいはほかの誰かに悪を引き寄せるために悪人の墓の土を使うことができます。フードゥー教は愛と幸運の呪術だけではないのです。

 フードゥー教では、地面に電流をアースして放つように、土に呪文を通します。根の、あるいは先祖の呪術はパワフルです。しかしパワーの強さは一点に集中され、コントロールされる必要があるのです。そうでなければ思いがけない結果に終わってしまうでしょう。呪文のかかった土によってそれを安定化し、静め、あなたが望んだものへと導いていくでしょう。もしクライアントが彼女の人生に愛を引き寄せる呪術を望んだら、わたしは教会の土を利用するでしょう。わたしたちが引き寄せた男はよき人となるでしょう。悪い男から愛を引き寄せるほうが簡単ではありますが。

 地が富に満ちていることは誰もが知っています。あなたが希少な石(宝石)や希少植物を思い浮かべるとき、実際、地が持つ富は持続できる富だと言えるでしょう。あなたがそれに呪文をかけて、地の精霊を呼ぶとき、富のエネルギーを活用し、それをあなたの意志に変えることができるでしょう。

 こういった理由から呪術のための土を得る場所を選ぶのに、目が肥えていなければならないのです。たとえば砂漠から土を得ると、一般的には、乾燥性と不毛性を引き寄せることになります。だからこそ、呪いをかけるとき、ほとんどの呪術実践者は、彼らが呪いをかけたい対象者を象徴した場所に行くのです。

 いかなる呪文をかけるときでも、あなたが使用するエレメントや道具に関係なく、呪文をかけるものに対して十分注意しなければなりません。ほんの些細なミスでさえあなたが作り出そうとしている呪術のバランスを変えることができるのです。それゆえ、あなたが土を選ぶとき、賢く選ばなければならないのです。そして意味を理解します。それを使う前に、できるかぎりその歴史を知ることが重要です。標準的な呪文のために本書のなかでどれが地の精霊の助けを必要とするかについて語りましょう。土が豊かで肥沃な場所へ、実際に植物が成長し、繁茂する場所へ行くことをわたしは勧めます。呪術の実践において、そしてフードゥー教の技術において、成長すれば、ほかの場所から来た土について調査を拡大することができます。