地球空洞案内
1 序
母なる地球は4つの同心円の層、すなわち地殻、マントル、外核、内核から成ると私たちは教えられてきた。地殻はシリコンや酸素、アルミニウムなどより軽い要素を含む硬い岩石から成っている。マントルは、地殻の基盤となる堅固な上層の下の粘質の層と言われる。地球の中心は核で、外核と内核に分かれる。外核は液状で、内核は堅固な鉄とニッケルからなると言われる。この古典的な地球の構造は、地形と水深測定の観察や露出した岩石の研究、すなわち火山活動によって地表にもたらされた岩石サンプルの研究、地震による波動の分析、地球の重力あるいは磁力のフィールドの測定、堅固な結晶体の実験などをもとに導き出されたものである。
地球の構造についてこうした結論にいたるには、演繹法として知られる推論法を用いている。地中から取り出した物質が、化学的にも、あるいは地質的にもそうした特質を持っているなら、地球の構造が地質学者の示したとおりである可能性がきわめて高いということなのだ。しかしながら、この地球構造モデルは十分とはいいがたい。地球の表面には説明のつかない現象が数多く存在するのである。
地球の中心は堅固であるという一般的な見解とは反対に、地球内部は実際空洞であるという証拠が山のように出てきている。じつは地球空洞説ははるか昔から存在していたのである。
母なる地球が二つの原則的な特徴を持つことは広く認められている。一つ目の特徴は、地球内部の地殻が地表の地殻のつづきであるという点だ。両極地域双方に大きな裂け目か穴があり、地殻が渦巻いて地底へと通じ、マントルをまわって内部の空洞へとつながっている。内側の地殻と外側の地殻は地形学的にもよく似ている。そのどちらにも居住者、海、川、湖、エコシステムがある。地球の空洞の中心にあるのは内側の太陽である。それは雲のベールに包まれている。それゆえ空洞地球(インナー・アース)の日光は地表よりもマイルドで、やさしいのだ。
空洞地球のもうひとつの特徴は、マントル内の洞窟ネットワークの存在である。手短に言えば、洞窟は地球内部のマントルの中の穴、もしくは空間である。これらの洞窟の一部は地質学のダイナミズムによって作られた自然の産物だが、ほかの洞窟は地球内部の住人の進歩したテクノロジーによって作られたものである。この空洞地球の国は、アガルタと呼ばれる。