016017 

(トトン、嘲笑う)

「ハハ、ただで美女と宝物が手に入るだと? このトトンさまでもそんないい思いしたことないぞ」

(嘲りをおさえてトトンはセンロンに言う)

「つまりそれらはおまえのものというわけだ」

「そう言ってくれるとはありがたい」

(トトンの顔アップ)

「だが無駄足に終わったら、おまえの財産の半分をよこしてもらうからな」

(馬上のギャツァが叫ぶ)

「それはあんまりだ!」

(センロンは右手をあげ)

「ギャツァ!」(と制す)

(センロン、馬上のトトンに向って)

「おまえが言ったとおりだ。賭けるとしよう」

「よし! 言ったからな」

(兵士らが掲げたたくさんの幟)

「さあ、皆の者、行け! センロンの戦利品を取りに行くのだ!」

(その頃、草原で)

「待って!」(とメトラツェの声)

(逃げる白ヤク、追うメトラツェ)

「私のために止まって!」

(メトラツェ、白ヤクにとびかかる)

「もう逃さないからね!」

(メトラツェ、白ヤクに飛び乗り、言い聞かせるように言う)

「竜宮に帰るのにあなたが必要なんだからね!」

(メトラツェ、気配を感じてハッとする) 


⇒ NEXT