056−057
(ハッとした表情のギャツァ)
「まるで牛ではないみたいだ」
(狂牛病の牛のように暴れまくるヤクたち。驚く長老の総監)
ムォー! (と叫ぶヤクたち)
ボム! (遠くから爆発音)
(遠く、火が出て明るくなっている)
「トトンの家の馬小屋のほうだ!」
(刀を持ったギャツァ、長老の総監はふたりの男に任せ、火が出た方へ向かう)
「おまえたち、総監を守ってくれ。ぼくはあっちを見てくる」
「はっ!」
(ギャツァ、はたと気づく)
「あれ、ジョルはどこに行ったのか」
(ギャツァは一瞬立ち止って総監を守るふたりに言う)
「もしジョルを見かけたら、保護してくれ」
「わかりました」
(総監を守るふたりが離れていくギャツァに声をかける)
「あなたも気をつけてください!」
(歯を食いしばって駆けて行くギャツァの顔)
「われらの家畜をむざむざと殺させるわけにはいかぬ。一刻の猶予も許さぬ!」
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