064−065
(長老の総監が言う)
「この二晩、家畜の大部分が死んでしまった。これはわれらの存亡にかかわることである」
(センロンが背後のギャツァに言う)
「ギャツァ、おまえは見ていたのか」
(下を向くギャツァ)
「これは……何かの誤解かと思いますが……」
(トトンが厳しい顔でセンロンに言う)
「この子はおまえのうちの子だ。肩を持つのはとうぜんだろう」「しかしこれが事実なら、おれはおまえをかばうことはできないからな!」
(必死で訴えるジョル)
「あれは馬の妖怪だ! ぼくは妖怪を殺したんだ!」
(小ばかにした表情のトトン)
「妖怪だと? おまえが妖怪だろう!」
(トトンは縛られたジョルの前に立ちはだかり、刀を突きつける)
「おまえは自分で馬殺しを認めたのだ。これからおまえを処刑して、災いを取り除くのだ」
(刀を振りかざすトトン。そこへメトラツェがやってくる)
「待って!」
(しかし刀は振り下ろされる。ジョルは刀を避けようと身をよじる)
(メトラツェの悲痛の叫び)
「ジョル!」
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