088089 

(虚勢を張る子供のジョルを前に、余裕の悪党ふたり)

「このガキ、顔が赤く光っていてきれいだぞ。大王さまに献上して酒でもいただくか」

「そりゃいい考えだな」

(ジョルのほうに手を伸ばす禿げ頭の悪党)

「へっへっへっ」

(ジョル、両手をあげてヤー、と叫ぶ)

(すると光の玉のようなものが生じる)

ドーン! 

(光のエネルギーで男ふたりを突き飛ばす)

「え?」(と、禿げ頭の男はキョトンとする)

「びっくりしたなあもう」

(悪党たちはいま目にしたことがにわかには信じられない)

「おいガキ、おまえ、魔術が使えるのか? これって法術だろう!」

(とまどうジョル。自分の手を見ながら、つぶやく)

「あれ、今度は力が出ないぞ。手を洗っていないからかなあ」

(禿げ頭の悪党、ジョルにつかみかかるように接近して聞く)

「いまおれを脅して突き飛ばしただろう!」

「もう一回やらせてください」


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