140141 

(墜落のショックで目をまわすジョル)

「手羽肉がひとつ、手羽肉がふたつ……」

「ふふ、なんてすばらしい馬なの!」(ドゥクモの声)

「駿馬中の駿馬ね!」

「英雄! かっこいい!」

(ジョルが目覚めると、ドゥクモがうかれて騒いでいた。馬も喜んでいた)

「目が覚めた?」(ドゥクモが馬を撫でながら言う)

「まあね!」(ジョルは不機嫌そうにこたえる)

(ジョルと馬の視線がばしっとあう)

「この馬絶対スケベだよね」

(馬と犬たちをつれて帰っていく)

「この馬、牡馬らしさはあるけど、人間性はないんだな。どうしたもんだか」

(ドゥクモ、いいことを思いつく)

「じゃあこの馬があなたの言うことを聞くようにしてあげるわ。でもそうしたら、リン部落の人々が来て、あなたといっしょに生活することに同意してもらうわ」

「え、どういうこと?」


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