172−173
(トトンの後ろに競馬に参加する男たち)
「この者たちはみなわしの部落の精鋭たちだ」「路上で豹、狼、虎と会おうが恐がったりはせぬわい」
(泣きつくような表情のジョル)
「でも普通の野獣じゃないんです! それらは妖怪なのです!」
「人を怖がらせてかき乱す寸法だな! そんな言葉に惑わされる者はおるまい!」(トトン)
(総監、冷静に言葉を入れる)
「大会を中止にすることなどできぬ。ただ、みな注意を怠らぬように」
(トトン、ジョルの背後からひとこと)
「ふん、腰抜け野郎め」
(総監、合図の旗をあげる)
「さあ、勇士どもよ、準備はいいか! リンの未来のために……」
「スタート!」
(轟音とともに、参加者全員が一斉にスタート)
タッタッタッ
(馬に乗った参加者たちが走っていく。ジョルはただ見ているだけ)
(ジョルも遅れて馬に乗る)
「参加するのなら、勝たねばならぬ!」
(ジョル、馬を鞭打ち、全速力で走らせる)
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