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(トトンの馬、前足をあげて止まる) 

「いったいこれは何だ?」(ギャツァ) 

(地面から筍のように剣の刃が飛び出ている。馬に乗ったリンの男たちはみな足止めを食らっている) 

「陥穽か!?」(ギャツァ) 

「待ち伏せだ! みな気をつけろ」(ギャツァ、叫ぶ) 

(崖の上から妖怪たちがつぎつぎと降りてくる) 

(峡谷の中央にぽっかり穴があき、そこに無数の剣の刃が並ぶ) 

(ひとりだけ先を進んでいたトトンは振り向いてひとりごとをつぶやく) 

「おまえらゆっくり来ていいぞ。わしは先に行くからな」 

(パニック状態のギャツァらリンの男たち) 

「ほんとうに野獣がいたぞ!」(ギャツァ) 

「いや、こいつらは野獣じゃない……」 

「妖獣だ!」

(虎や熊の妖怪が暴れまくっている) 

(叫びまくる妖怪たち) 

「ひとりも逃すな!」「一網打尽にしろ!」 

(取り囲まれ、追い詰められるリンの男たち) 

「殺せ!」(妖怪ら) 

「やばいぞ」「迫ってきたぞ」(男たち) が

(歯を食いしばるギャツァ) 

「くそ、今日はみな軽装で武器もない……」 


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