(3)男のナムサ

 1996年当時、竜元村から先(上流)は紋面の女性が多く目につくようになり、ナムサやウ、シュンマも増えた。じつはウのコンチェントリと会ったとき、竜元村から山へ入っていったところに男の大ナムサがいるという話を聞いた。そのときは時間の関係で会いに行くことができなかったのだが、無理をしてでも行くべきだったのではないかと、今でも後悔している。

 今回、ついに迪政当(ディツェンタン)村で男のナムサと面会することがかなった。宿泊先から徒歩10分ほどの通りからすこし奥に入ったところにナムサの家があった。お酒やお菓子といったプレゼントをもって訪ねた。頭の中ではコンチェントリのようなすごい形相の老シャーマンを思い描いていたのだが、ナムサは若々しくひょうきんな男だった。

(この項つづく)