ソグル

●参加者…男女170人。男は年齢制限なし。女は15歳以下、20人程度。

●カンゴワ…4つの部落から2名ずつ出す。計8名。

●ハチュカ…6月20日、神輿を担ぎ、太鼓(単面羊皮鼓)をたたきながらダフロン山の麓の小川へ下りていく。人も神輿も水を浴びて清める。太鼓(神鼓 lha rnga)も水に濡らす。この日から30歳以下の男たちは廟のなかで寝る。

●ハチャンカ 6月21日、ハワ(=神)を招いて酒でもてなす。バター灯(mchod me)、サンツ(bsang rtsi 小麦粉)、ヨーグルト、ミルク、茶、酒、カタ、布、飴、果物、トルマなどが献じられる。ハワは神憑かって占いをする。この日、ラブツェ祭がおこなわれる。ラブツェは年長者が最初に立てる。

●本祭 6月23日~25日

 ウェーハー舞。ウェー、ハーと叫びながら踊り、各神を呼ぶ。もともと戦争へ行くときの軍人の踊り。刀などをもつ。30分。
 竹馬。15分。
 アツァラ。15分。
 男のガル。20分。
 幕間劇。豊作を願う目的。45分。
 女のガル。ダフロン神の帽子をかぶって踊る。25分。
 男女いっしょにトゥジェチェンポ舞。20分。

 このプログラムの内容を23日は3回、24日は4回、25日は5回繰り返す。

●ヤギのトルマ…最終日の25日正午頃、ザンパ (麦こがし)で作った実物大のヤギのトルマをサンとして焚き、神に捧げる。かつては本物のヤギを捧げていたが、86年頃、サフチのハワ(すなわちシャチョン)が祭りのとき、殺すのはよくないといってカタをかけて逃してやった。それ以来トルマのヤギが犠牲として使われるようになった。

●開紅山…午後、モ(占い)で選ばれた男たちはハワによって額を傷つけられ、血を流しながら踊る。血は神への捧げもの(赤い供え物 dmar mchod)と考えられる。

●カマル…ハワがモ(占い)で21人の男を選ぶ。男たちは長さ20センチほどの銅針を頬に貫く。釣針は酒と胡麻(サルマ)の油で消毒し、熟した白と黒の石を清水に入れて発した水蒸気によって清める。数人は銅針を背中にも挿す。(占いで選ばれたので)小ハワも頬と背中に挿して踊ったことがある。

このとき、自分で銅針を抜いてはいけない。動きのなかで自然に落ちるのを待つ。身を清めているので、釣針を挿しても血が流れることはない。カマルは勇者であることを神の前で示すためのもの。

●宣誓…24、25日の夕方、ハワの占いによって選ばれたカンゴワ(長老)のひとりが宣誓をする。まず、廟の前に男の参加者全員が二列に並ぶ。ふたりのハワは監督官の役目を担い、杖をもって半神懸かりの状態で歩き回る。宣誓者は皆の前に立ち、「ジャンファーロー、ジャンファーロー」と宣する。漢語の「講話了! 講話了!」である。

つづいてチベット語アムド方言で、「今日はとても日和がよく、神様もみなここソグルに集まった。あたらしい堂も建ち、なかにはいろいろな像があり、ダライラマの像もパンチェン・ラマの像もあり……」というぐあいに、活仏や守護神の名前をつぎつぎとあげていく。さらにアンニ・マチェンやダンディ、ニェンチェン、ダフロンなどの山神の賛歌をうたい、呼び出す。

 そして祈顧はつづく。「今日はルロル祭のために、富める者は裕福な供え物をし、貧しい者は貧しいなりの花だけの供え物をし、踊りも献じました。ですから神様も、仏法を守護してください。ジャワ・テンジン(ダライラマ十四世)も守ってください。チベットの人々を守ってください。ソグルの善男善女が神の名を呼んだら、助けてください。村に危害を加える敵を退治してください。今年は山の上は家畜であふれ、畑は作物でいっぱいになりますように。ひとはみな幸福になりますように。タシテレ!」

●25日夜…戦神ダンドゥが大ハワに憑依する。その間小ハワと村の男たちは村の端まで行ってルタを燃やす。戻ってきて、堂に入るとき、「ハジャロ!(神に勝利あれ)」と叫ぶ。