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 シムゾニアの作者が誰であるかは謎でもなんでもない、と主張する人々がいる。つまりこの作品が主張するように、地球内部への航海の船乗りの記録なのである。これら信じる人々のうちのひとりは、アメリカス・ヴェスパシアスだった。彼にとって、シムゾニアは地球内部が空洞であることの証拠だった。

 アメリカスはジョン・クリーヴス・シムズの息子であり、弟子だった。1878年、彼は父親の小文や記事をまとめた『同心円の地球のシムズ理論』を出版した。この本には彼の理論も含んでいた。それは地球内部の住人は「イスラエルの失われた十支族」というものだった。

 亡き父親のために彼が貢献したのはこの本だけではなかった。その何年か前に、父親の墓にモニュメントを立てたのである。それは石のオベリスクで、そのてっぺんには、両極に穴が開いた空洞のある地球が据えられた。

 オハイオ州ハミルトンの公園に囲いがあり、その中にいまもモニュメントは立っている。それは風化して、見捨てられ、地元の物好きしか興味を持たないが、刻まれた碑文はなんとか判読できる。それにはつぎのように書かれていた。

 

ジョン・クリーヴス・シムズは哲学者であり、同心円地球と両極の空洞を論ずるシムズ理論の提唱者だった。地球内部は空洞であり、人が住めると主張した。 

 

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