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「ではここでお別れだ。この神秘的な兄弟はおまえの地底生活の進歩の第一ステージにおいてガイドとなってくれるだろう。おまえは「超越」に入り、それを超越して最終的に未知の国へ導く入口にいたるだろう」
モーガンはガイドのあとをついて洞窟に入っていった。水の中を歩いたあと、彼らは通路を下っていき、大洞窟に出た。そしていくつもの大洞窟から大洞窟へと歩いていった。道はかすかな光――空中の輝く霞――で照らされていた。奇妙なことに光はつねに周辺ではもっとも明るかった。
まるで連れているかのように、またまわりを囲う光輪のように、つねに輝いている地の光はわたしたちを包みこみ、行く手を照らしながら、後ろで消えていった。
何時間も歩いて彼らは地下深くに下っていった。モーガンは大洞窟の音の響きに心打たれた。
われわれの足音は奇妙な、言語を絶するうつろなこだまを生み出した。われわれの声もまた幽霊のようで、何とも不気味で、体の外、はるか遠くから聞こえてくるかのようだった。この奇妙な反響はわたしにからっぽの樽やタンクの中で響き渡るノイズを思い起こさせた。わたしはより深まり強まる神秘と怖れの感覚に押しつぶされそうだった。
モーガンはガイドの教師然とした性格に圧倒された。下降していくあいだにも、この生き物はしきりとレクチャーしてくれたのである。彼は科学に通暁していて、光、動き、火山、エーテルといったトピックについて語った。
大洞窟から大洞窟へと進んでいくうちにモーガンは時間の感覚を失っていった。しかし奇妙なことに彼はおなかがすくことも、喉が渇くこともなかった。ガイドの説明によると、地球内部の大気の影響を受けているのだという。それには活性化するパワーがもともと備わっているのだという。このパワーは人の生命力を維持し、食べ物や飲み物だけでなく空気さえも不必要な分まで作り出すのである。
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