(4)

 つぎの記憶では、彼女は冷たい水の中を、あるいは夢の中で流されているかのようだった。彼女は裸で、半意識状態にあった。はっきりしない人の影が彼女の上に浮かんでいた。ラベンダー色の光が降り注いでいた。痛みは――長年の中毒から来る苦悶は――消えていった。

 ようやく彼女は覚醒した。明るく照らされた部屋に彼女はいた。壁や家具はメタリックな銀色に輝いていた。ローブを着てマギーは普通の二倍の長さのベッドの上に横たわっていた。横にはボタンがいくつかついたラジオのような装置があった。

 壁の一部がスライドしてひとりの巨人が――今までに見たなかでもっとも大きな女が――部屋に歩いて入ってきた。若くて魅力的な彼女はヘルメットをかぶり、翼をつけていた。黄金のメッシュでできた短いドレスを着て、膝までレースで飾られたサンダルを履いていた。巨人女は輝くディスクを口元まで持ってきて、それに向かって何かしゃべった。彼女は自己紹介をしているようだった。

「私の名はミラ」と彼女は言った。「あなたは怖がっていますね。でも大丈夫です。われわれの兄弟があなたをここまで運びました。あなたはおなかが減っているのではないかしら。まず食べなくちゃ。それからあなたが知りたいことを教えてあげましょう」

 ミラは装置のボタンを押した。すると壁が開き、ワゴンが現れ、彼らのほうへやってきた。その上にはフルーツやケーキ、緑色の液体が入った器が並んでいた。ミラは気をそそるように器を指さした。逆らいたくなかったので、マギーはそれを一口飲んでみた。そして一気に「神々の美酒」の残りを飲み干した。彼女が器をワゴンに戻すと、器はすぐにまた液体が満たされていた。

ミラは状況を説明した。六日前、マギーはドラッグ中毒を治すため外部からここに運ばれてきた。治療は成功だった。彼女はまもなくして指導係のミラからいろいろなことを教えてもらう。彼女はまた「われらの賢い人々」から教えを受けるのである。いまマギーにとって休むこと、回復することが重要だった。

 ミラはお辞儀をして部屋から出ていった。

 


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