(7)

 マギーは地底世界で見たこと、学んだことすべてに驚いた。滞在中もっとも驚いたのは結婚――ミラとアルシの結婚――だった。結婚式は大寺院のなかでおこなわれた。マギーは式に招待された。

 彼女はミラとアルシが通路を歩むのを見ていた。彼らは祭壇に近づいた。祭壇の後ろには銀色の緞帳があった。彼らは頭を垂れて、そこにひざまずいた。

 突然緞帳が溶け始め、そこからめくるめくような光が現れた。光の中に巨大な手が見えた。

 手から光線が発射され、ふたりの頭に当たった。そして手と光が消えていき、緞帳がふたたび現れた。

 

 新婚のふたりは飛びあがって驚きましたが、顔には神を見た人々特有の至福の喜びが浮かんでいました。祭司や牧師の人間の結婚式にはこんなにも美しいものはないでしょう。

 

 洞窟世界における最後の数日間、マギーは生き返りを目撃した。三人の地上の人間がエスコートされて部屋にやってきた。彼らは輝きを発し、透明になる高い石の前に横たわった。一日以内に彼らは若者になっていた。

 ついにマギーが家に帰る時がやってきた。

 彼女の先生は「地上の衣装」を彼女に返し、(現金を得るために売る)宝箱を渡した。いつか彼女が戻ってくるだろうと彼は確信をもって言った。涙の別れはつづいた。それからマギーはケルマー博士が彼女を連れていった洞窟に戻された。

「アディオス、そして幸運を」とミラは言った。

 そして彼女は友人(宝箱を彼女に売った)といたメキシコシティに戻っていた。新しい人生が始まった。

 


⇒ つづく