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サイラス・ティードは自分が旧約聖書の予言者クロス(サイラスもクロスも英語ではCyrus)であると信じ、自分自身をコレシュ(ヘブライ語でクロスのこと)と呼んだ。彼の信奉者たちはコレシャンである。今日、もし信者が残っていたら、このコレシャン・ユニティはカルトとみなされるか、愛する教団を他と識別するためによりニュートラルな「高需用共同体」という言葉で呼ばれるだろう。歴史はコレシャンの人々を、シェーカー教徒やハーモニー共同体のように宗教的で共同意識の高い組織に仕立て上げた。これらのグループの人々は、自分たちから罪やけがれたものすべてを取り除けば、神に選ばれた人々になれると信じた。
1839年にジョセフ・スミスがモルモン教徒を率いてイリノイ州ナヴーにかれらのシオンを築いたように、ティードは55年後、ユートピアを築くために、フロリダ州エステロへと導いた。それはよい天候や自由の土地を求めたからであり、またシカゴでの迫害から逃れるためでもあった。ティードはジョセフ・スミスの妻エマ・ヘイルの遠い親戚であり、神学上もいわば身内だった。コレシャニティはモルモン教、セブンスデー・アドベンチスト教会、エホバの証人と多くの共通点を持っている――どれも千年王国運動としてはじまっているのだ。信者たちは黙示録に予言されるとおり、キリストが戻ってきて、地上に王国を確立し、千年にわたって統治すると信じているのだ。このグループの人々は予言者をメシアとして崇拝しているわけではなかった。リーダーたちは聖書の言葉と神のメッセージを翻訳することによって、第二の降臨を準備した聖なる解説者である。これこそがティードのやっていたことであり、ティードを信奉した人々は、彼がかれらのために解説し、あがなってくれると信じた。かれらは地上に永遠の生命を得ることのできる選ばれた人々だった。
ティードは自分が、アダムからエノク、ノア、モーセ、アブラハム、イエスへと連なる予言者の系譜、または種をまく人々のリストの最後の名であると説いた。かれらは神から知識(神の施し物)を受け取り、人々を新しい時代へと導くことが許された者たちである。ティードは人々に、これら初期の予言者に、かれらが理解することのできることだけを、あるいは人々が受け取ることのできるものだけを、それぞれに明かしたのだと教えた。ティードは、第七の予言者として自分はもっとも進化した存在であり、自分を通じてすべてのことが知られるようになり、神はあらゆるものを明らかにするので、自分こそがコレシャニティの時代――それに先立つのはユダヤ教(アブラハム)の時代とキリスト教(イエス)の時代――の先導者にふさわしいと語る。
19世紀のアメリカには、自分が予言者だと信じた人々がたくさんいた。かれらのほとんどとおなじく、ティードはまったくの不成功に終わった。しかしまさにこの不成功ゆえ、コレシャンの人々からはその闘いが弾圧と受け取られたのである。信者にとってはすべてのものがよく見えるものなのだ。
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