チベット奇観 15 天空に聳える円錐の寺院
チベットらしい寺院といえば、崖縁や崖に貼りつくように建つ寺院とともに、円錐形の寺院が挙げられるだろう。このスピティのキーゴンパもその一つだ。わたしは何度も訪ねえているけれど、訪れるたびに心が洗われるような体験をする。
チベットの寺院であれば、宗教仮面劇が行われることが多いが、ここキーゴンパでは、民衆が仮面激の僧侶たちを腹ばいになって出迎える。僧侶らがまたぐか、踏みつければ、穢れを回収したことになるのだ。僧侶らはこのあと寺院の下の地点まで行き、火の浄めの儀礼をおこなう。これによって一年分の穢れを祓うことができるので、たとえばお母さんは赤ん坊を僧侶の行列の前に置く。もちろん僧侶らは赤ん坊を踏みつけないように用心しなければならない。
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