アク・トンパ物語
金持ち男の花嫁になる
ある日トンパおじさんは、商用でチベットのほかの地域へ出かけました。しかし仕事はうまくいかず、すっかり落ち込んでしまいました。おじさんは傷心のままぶらぶらとほかの村まで歩いていきました。
村に入ると、お金持ちだが残忍な男が花嫁を探しているという村人たちの噂話が耳に飛び込んできました。そう聞くと、おじさんはこれについてもっと知りたくなりました。この男をだませるかもしれんと、おじさんは思い始めたのです。
おじさんの顔の肌はとてもなめらかだったので、女性の衣装を着ると、おじさんはどこから見ても女性でした。彼は羊の肺を買ってきて、股の間にはさみ、おちんちんを押し込んで強いひもで縛り上げました。そして肺に穴をあけると、まるで女陰ができあがったかのようでした。
おじさんはほかの村からやってきたかわいらしい女の子のように見えました。そして金持ち男の隣の家を借り、あえて見られるように仕向けたのです。翌日、とても素敵な衣装に身を包むと、おじさんは窓辺に立って金持ち男がやってくるのを待ちました。しばらくすると馬に乗った金持ち男が窓の前を通り過ぎていこうとしました。しかし、ふと、窓辺にたたずむ色っぽい美女の姿が視界に入ったのです。いままで見たことのない女です。男はじっと美女のほうを見つめました。
男は馬を止め、なおも美女を見つめています。おじさんもセクシーなまなざしで見つめ返しました。金持ち男は美女に、どこから来たのか、何という名か、と矢継ぎ早にたずねました。彼はたちまちこの新しい美女に恋してしまったのです。その夜、さっそく金持ち男は美女と寝ようとやってきました。そしてとても美しい、めくるめくような「まぐわい」を体験したのです。ただし羊の肺との「まぐわい」ですが。
翌日には、金持ち男はこの美女と結婚する決意をかためました。ただし美女は拒みました。男が買えるだけの宝石を買ってくれないかぎりは結婚しないというのです。金持ち男にとっては問題ありませんでした。彼は黄金、トルコ石、ダイヤモンド、その他あらゆる高価な宝石を美女のために買いました。
翌日、結婚の宴がはじまりました。村中の人がこのめでたい祝宴に参加しました。金持ち男は新しい美女の花嫁を迎えることができたので、うれしくてたまりませんでした。二日目は結婚の歓迎会でした。だれもが宴を楽しみ、ほかの地域からやってきた花嫁と過ごせることを喜びました。花嫁は贈られた高価な宝石で身を飾り、やはり贈られたきれいな衣装に身を包みました。その日美女(おじさん)は、おちんちんに縛り付けていた羊の肺を取っていました。この何日間か、金持ち男はこの羊の肺と「まぐわい」をしてきたのです。
突然、歓迎会の大衆の中におじさんが踊りながら、現れました。その「巨根」を見せびらかしながら。歓迎会にいた人は驚愕のあまり凍りついてしまいました。花嫁がおちんちんを、しかも大きいのを持っているなんて!
おじさんは中庭に留めてあった馬に飛び乗ると、高価な宝石や衣服を持ったまま、どこかへ駆け出していきました。
花婿はショックのあまりくらい部屋に閉じこもり、何日も出てきませんでした。恥ずかしくて顔を見せることもできなかったのです。
トンパおじさんは宝石や衣服とともに、自分の村に戻ってきました。そして皆に今回の商用の旅は大成功だったと吹聴しました。