ウイッカ 影の書   リサ・チェンバレン 宮本訳 

1部 影の書の歴史 

影の書の起源 

 もしウイッカについてなじみがなかったなら、「影の書」という言葉はとてもミステリアスに響くだろう。

 人によっては、「影」という言葉がネガティブな内容を示すと思えるかもしれない。影は恐れを抱くものであり、避けるべきものなのだ。

 しかしながら、もしウイッカについて少しでもなじみがあるならば、危害を加えるために魔術のパワーを使うということはないと知っているだろう。そしてもしこの書を読んでいるなら、あなたが影を恐れることはないだろう。

 しかし「影の書」とは正確には何だろうか。なぜそのような謎めいた名がついたのだろうか。そして何が「影の書」を「影の書」たらしめているのだろうか。

 これらの質問の答えは、あなたがだれかによる。というのも、ウイッカンにはさまざまな流派があり、それぞれが各自の見解を持っているからである。

 とはいえ、「影の書」について論じるとき、流派の名の由来を含め、こうしたことをテーマとする本を少し目にしただけでも、われわれが「影の書」というときの基本的な感覚を養うことができるだろう。

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