アガルタ        

35 エピローグ 

 

 わたしは多くの読者がアガルタはほんとうに存在するのだろうかと疑っていることを知っている。今までのところ実証するのはむつかしいが、思い出してほしい、かつては長い間地球は平たいと信じられていたことを。

 ティモシーは古い友人である。我が家のメディテーション・ソファに坐っているときに、彼ははじめて現れた。ほんの一瞬の間わたしは彼の姿をはっきりと見ることができた。幻覚を見ているのではなかった。彼は北欧系の若者だった。背が高く、髪はブロンド、美しい、親しみの持てる顔で、不思議な、射貫くような青い目の持ち主だった。じっくり見るだけの時間はなかったが、彼が白いズボンをはいていること、白い畝模様のタートルネックを着ていることはわかった。頭の中で彼ははっきりと語った。

「僕の名前はティモシー。もともとシアトルの出身なんだけど、最近はアガルタに住んでいるんだ」と彼は話し始めた。「地球の内側の世界だ。地球の中は空洞になってるんだ。知ってるだろうけど。アガルタは巨大な王国で、たくさんの入口がある。その一つはカリフォルニアのマウント・シャスタにあるんだ。だれもこの世界について知らないのは、ぼくたちがそれを秘密にしてきたからなんだ。地上の世界みたいな戦争や環境有害物質はごめんだからね。ぼくたちは有害物質のない、貨幣のない、花が咲き誇る風景をつくってきた。そしてそれは秘密にしてきたんだ。

「地上の人々とコンタクトする日が近づきつつある。その準備とすてあなやはこの本を書かなければならない。一部の人はすでにぼくたちを発見している。そのなかにはリチャードE・バード少尉も含まれる。

 本書を読めば、真実と愛に関する洞察を得ることができるだろう。それはぼくたちにとってのリアリティなんだ。あなたはぼくたちがどうやって生きているのか知ることになるだろう。そして理解するのはむつかしくない。また英語で書かれた本がある。それはダイアン・ロビンズの「テロスと空洞地球からのメッセージである」






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