バガン壁画礼賛 バガンで途方に暮れる 
<パヤートンズー寺院> Payathonzu Paya








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 パヤートンズーとは、3つの寺院という意味である。よく似たコンパクトなパゴダ(パヤー)が3つ並び、整然としているが、建築物としてはさほど目立つ存在ではない。年代もはっきりしないが、13世紀後半とみられている。

 しかしパヤートンズーが特別なのは、ひとえにその独特の、そして問題をはらんだフレスコ画による。たとえば、数本の手をもつ人物(おそらく神格)や女性を抱く男性(やはり神格?)、それにボディサットヴァらしき姿。これは大乗仏教、いや密教(タントラ仏教)ではないだろうか。

 バガンにヒンドゥー寺院があることからもあきらかなように、バガン朝の国王たちは敬虔な仏教徒ではあったが、他の宗教や仏教の宗派にたいし、ある程度は寛容だった。

 もしかすると、13世紀後半という時期から考えるに、モンゴル人が密教をもたらした可能性もあるのではなかろうか。