神秘の極み
イェシュアは騒音を背にしながら懸命に逃げた。すると美しい鈴の音が聞こえたので、そちらに走っていくと、洞窟の中に整然と部屋がならんでいた。部屋には金と宝石に飾られた神像がいくつもあった。
芳香に誘われて歩いていくと、金の蓮があった。するとイェシュアの肉体から光輝の身体があらわれ、蓮の葉の上を浮遊した。
そして喜びの洪水があふれ出た。ブラフマーの神聖なる半身から生まれ出た美しい女神サタルーパがあらわれたのだ。ブラフマーはすぐに恋に落ちた。
魔法の音楽が神経叢から流れ出た。蓮の象徴の意味をイェシュアはよく知っていた。それは魂の解放、すなわち地上の肉体からの自由を意味していた。蓮は土に根を張り、小さな芽から成長して完全な植物となった。そして水から誇らかに出て、あたかもあらゆる助けを要しないかのように空中に浮かぶのである。輝かしい自己の蓮は、いまや黄金の象徴の上にあった。身体の細胞のひとつひとつが光、音楽、完全な生の断片に満ちていた。
イェシュアはこのとき確信を持った。至上の神と至上の宇宙はひとつである、と。はじめもなければ終わりもなく、神は全能で、遍在し、全知である、と。おのれはその神の一部なのである。おのれは不滅であり、時のはじめから存在し、何千もの転生を経てきたのだ。それは地上のあらゆる人においても言えることだった。歓喜の瞬間、人は魂の住処を決めることができた。古い衣を捨て、あたらしい衣を着るときなのである。人は修行し、浄化されれば、永遠の中に昇華することができるようになるだろう。こうしたことを考えながら、イェシュアは至上の喜びを感じていた。